来週、8月18日。東京ビッグサイトで開催されるCOMITIA105に参加します。
な23b MisticBlue
頒布物は、みすてーが物語る、激動の時代を描いたTransporterシリーズ新作。
シリーズ第四弾
「Transporter ~Turning Point~」です。
A5版60頁。頒布価格は300円。

表紙イラストは
あほいすぃ氏。
この人が男性ソロの表紙を描いた事実には俺も驚愕している。
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ある文芸サークルさんの作品について書こうと思っていたところ、うまくまとまらなかったので急遽別の話をでっちあげることにした。
今回は、最近人気のブラウザシミュレーションゲーム「艦隊これくしょん」。通称「艦これ」について書く。
人気というか、先月7月10日時点でユーザー数が10万前後だったものが、そこから1ヶ月にも満たない今日の時点でユーザー数が30万人を突破。同時接続が10万を超えているという話だから、空前絶後のブームを巻き起こしているといっても言い過ぎではないはずだ。
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この物語には、ある一冊の挑戦的な同人誌の存在がなければ出会うことができなかったかもしれない。
その同人誌の名は「
文学フリマ非公式ガイドブック」という。
忘れもしない、2012年5月の第十四回文学フリマで、サークル「佐藤」さんがたくさんのサークルの方々と共同で、なにか面白い本を出す。ということを聞いたのだ。そもそも、この文フリにおける俺のメインの役割はみすてーさんの手伝いだったはずなのだが、俺はそっちのけでスペースに向かってしまい、「文学フリマ非公式ガイドブック」と出会った。というより眼と鼻の先に頒布されているスペースが存在する以上これは仕方のないことだった。そして俺は、主任務を忘れかけるほどの衝撃を受けたものだった。
名前の通り、ガイドブックなのだが、ここまで完成度の高い文芸同人誌というものを目にしたことがなかった。
基本的に、文学フリマに参加するサークルの小説同人誌を紹介する冊子であるのだが、この本自体も読み物として十二分に楽しめる。
そうして、「文学フリマ非公式ガイドブック」を片手に、会場を練り歩いていた俺が最初に導かれたのが、サークル「
蜂蜜ワルツ」のとうたさんが著作された、この「灰とリコと導きの歌」であった。
発行は2011年11月。
全5作を予定されているそうで、この「灰とリコと導きの歌」以降の作品として、
第2作「灰とリコと暗夜の指輪」上下巻、第3作「灰とリコと欺瞞の唇」が発行されている。
なぜこれを求めたかというと、表紙から漂ってくる雰囲気になんともいえないものを感じ、これは読んでみないといけないのではないか。という気分にさせられたのだ。非公式ガイドブックの評文がさらに背中を押した。
そんなこんなで、とりあえず第1作を入手し、みすてーに「ちょっと外で休憩してくる」と言ったのち、都産貿の外にある喫煙エリアのベンチに腰掛け、「灰リコ」を一読した俺は、その足でそのまま2作目を手にするため、再度「蜂蜜ワルツ」さんのスペースに足を運んだりもした。この「導きの歌」はシリーズ第1作であるため、当然明暗のはっきりした話ではなく、謎は謎として次回以降に引き継がれる形になっている。そうなると続きが気になって仕方がないわけで。そうして2作目を読んだMildは、当然のちに3作目も入手した。
念のため断っておくと、俺は手にした小説などを読むとき、1回目はぱぱっと読んでしまう。だがこれは、本当に読むだけなのだ。1回おおまかに文字を頭に入れて、2回目以降を入念に読む、という読み方で、何故か中学生くらいのときからこうなっている。
とにかく、「灰とリコと導きの歌」は、そして「灰リコシリーズ」は魅力的な物語だ。
表紙に漂う、温かく、だが仄暗い、神秘的な雰囲気は、本文中でも見事に表現されている。
切なさと、慈しみが同居しているような…上手く言葉が見つからない自分がもどかしいが、主人公や登場人物たちの心情と、街の風景、そして「灰」という、表題の一部であり、物語のキーワードが、作品全体の陰陽を見事に彩っている。
また、全5巻を見通したうえと思しき構成・展開の妙や、シーンごとの筆致の力加減なども絶妙だ。これらのことから、「灰リコ」は俺を惹きつけてやまない光彩を放つ1作となっている。